特別支援学校の先生でもある、川上康則先生のお言葉。
学校生活の中でおこる葛藤と自己調整について、ケンカを題材にお話されています。
これはデイでも同じこと。
見せかけの支援ではなく、子どもたちの成長をしっかり見据えた本当の支援が必要。
「障害者の一番の敵は親だ」
今、読んでいる本に書いてある一文。
ドキッとする言葉だが、妙に納得できる。
学校が窮屈な場所、つまらない場所、行きたくない場所になっているのは
教師や行政の責任だけではない。
親にも責任はあると思う。
子どもたちのためにも見守る勇気が必要。
見守る覚悟が必要。
わが子可愛さに、ついつい口や手が出てしまうんだよなぁ〜
【「葛藤」と「自己調整」】
学校生活では、時に、けんかや対立を経験します。
けんかについては、乳幼児期の発達に関わる「保育所保育指針」(2008年3月28日厚生労働省告示、2009年4月1日施行)で、3才以上の子どもに関わる配慮事項として、「けんかなど葛藤を経験しながら次第に相手の気持ちを理解し、相互に必要な存在であることを実感できるよう配慮すること」と書かれています。
けんかやいざこざは、成長の「芽」のようなものだと言えます。
ところが近頃は、保護者の要望の影響もあるかもしれませんが、学校現場でも「トラブルを未然に防ぐ」とか「トラブルを起こさせない」ことが優先されます。
たしかに、トラブルがないにこしたことはありません。しかし、この考え方では、トラブルに対応するスキルが未発達なまま、子どもを次のステージに送ってしまう・・・つまり、発達課題を積み残してしまうという怖さもあります。
心理学者エリクソンは、各発達段階において社会から要請される発達課題があり、そこで経験する「社会的危機」を乗り
越えていくことで「人間の強さ(vietue)」を獲得していくと考えました。
学校と保護者で共有していきたいのは、けんかや対立を生み出さないことではなく、発達課題である「葛藤」を置き去りにしていないかという見方なのではないでしょうか。
学校には、本来、葛藤を豊富に経験することができるという大きな価値があります。
葛藤の経験を通して、子どもたちは「自己調整能力」を養います。自己調整能力には、自己を主張する側面と、自己を抑制する側面があります。
子どもたちが葛藤をとおして、上手に自己主張できるようになり、また、相手や仲間の事情に折り合いをつけたり、言い過ぎにならないように心にブレーキをかけたりといった自己抑制の力を発揮できることを目指していくことができます。
長い目で考えれば、幼児期や学齢期に葛藤を経験することは、社会を構成する一員である子どもたちに「未来を託す」ための大切な営みだと言っても過言ではないでしょう。
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