2019年7月30日火曜日

楽しさと感動

【3年生・2019・7月】

前回の海で、海が大好きになったことら。もう少しサーフィンを経験させてやろうと、友人についてサーフィンにでかけました。
海につくと、待ちきれないことら。海に向かって一気に走り出すので、ライフジャケットを着せて板に乗せて出発!


砂浜から見てるととても順調そう。
少し沖の方に向かって、さあ波に乗るぞ!となったらドボン!
やっぱり難しいかぁ。
一度砂浜に戻ってくると、なにやらことらが怒っている様子。
どうしたんだろうと近づくと、もう一回海に行くと怒ってる。
友人曰く、沖の方に行くのは上手なんだけど方向転換して波がくると海に飛び込むらしい。でも、海に行きたいばかりで怒るので、僕と海へ。
次はボディボードを借りて挑戦。
しばらくことらと海で遊んでいるうちにわかりました!
ことらは浜の方に行きたくないんだ。ずっと海に入っていたいから、戻ることをしたくないんだ。だから、進んでいって方向転換すると怒って海に飛び込む。
仕方ないので、僕が横でボードを支えながらことらにはわからない程度で少しずつ戻りながら2時間くらい波と戯れました。


かなり満喫しましたが、まだまだ遊びたいことら。
しかし、今日はこれで終わりではありません。この後「蒲郡の花火」に行くんです。
花火に行こうと誘って、海を後にして蒲郡へ。

海であげる蒲郡の花火。一番先端に陣取って見ました。


ほんと目の前なので、迫力はすごいが音もでかい。それに、1時間半もことらが待っていられるか心配でしたが、杞憂に終わりました。
花火の迫力に興奮しながらもとっても集中していることら。椅子に座ってじーっと眺めたり、花火の合間は立ち上がって走り回りますが、ブルーシートの外にはでません。
結局1時間半見ていることができました!すごい。
妹は大きい音が苦手で最初耳栓していたのですが、花火の迫力と楽しさに耳栓取ると言って、踊りだしました。
蒲郡の花火はほんとオススメでとても感動します。
ふたりとも楽しさと感動が過敏や特性に勝った気がしました。
「感動」っていうのは理屈を超えたものがあります。ドラマが生まれます。
感じて動く。感性が喜ぶ。どんな理屈、理論、説得にはないものが生まれます。
ことらの感性を沢山磨いて刺激してあげたいです。
まだまだ夏は始まったばかり、今年の夏はどんな夏になるだろう。


2019年7月22日月曜日

「わたしが障害者じゃなくなる日」



図書館でかわいらしく目を引くカバーとインパクトあるタイトルに惹かれ借りた本。
難病をかかえ、車椅子で人工呼吸器とともに生きる著者。
いわゆる重度障害者と呼ばれる重い障害があるのですが、じつはわたしに障害があるのはあなたのせいなのですとそう言ったらおどろきますか?
から始まります。著者が病気であることと「障害がある」ことは別のこと。生きづらさを作り出してるのはこの世の中、社会なのです。
例えば、車椅子で建物に入る時、段差があると車椅子のままでは進めません。でも、スロープがあれば問題なく進めます。建物の中ではエレベーターがなければ上にいけません。
今まではこういうことは「あなたは車椅子だから無理です」「あなたは障害者だからこの建物には入れません」と言われてきました。障害者ががまんしたり、悲しい思いをするのが当たり前だったのです。これは古い考え方で、車椅子に乗っているあなたのせいですという考え方。新しい考え方は階段しかない建物のせいですという考え方。障害はわたしたちの暮らす社会の仕組みが原因あるという「社会モデル」という考え方です。
社会が変われば障害はなくなっていく。こういう考え方が社会モデルです。
今、世界中で社会モデルの考え方が当たり前になってきているのに、日本は本当に遅れています。
無関心な気持ちや、逆にまた障害者が権利ばかり主張しているという悲しい意見がまさに障害をなくす障害になっているのです。

著者は小学校から大学までずっと健常者の中で暮らしてきました。
高校時代から一人で旅をしたり、一人暮らしをしたり、卒業後は日韓ワールドカップの際に韓国を韓国の車椅子の方と健常の方と旅をして、車椅子でも暮らしやすい環境を整える活動をしたりととても活発に動いています。
そこには、障害のある人が地域の中であたりまえに生活する。それをあきらめないでやっていくだけでも、社会を変える大きな力になるんだとおっしゃっています。
障害は先天的なことばかりではありません。突然難病に襲われたり、事故や怪我から車椅子生活になることも多々あります。海外では銃で打たれてということも多いです。
無関心や他人事ではいけないんです。ただ、当事者や当事者の家族にならないとわからに事が多いのも事実だと思います。
障害者は長い間差別をされてきました。
公共の乗り物の乗車拒否。レストランの入店拒否。
大多数の人の迷惑になるという理由で車椅子の人は遠慮や我慢をしなければなりません。
これは、車椅子の方に限らず発達障害を抱える子どもたちの親も同じだと私は思います。
入店拒否や乗車拒否こそされませんが、逆に見た目に違いがわからない発達障害はあからさまに周りの人から嫌な顔をされたり、心無い言葉を投げつけられ、結果遠慮や我慢をしなければいけません。
これは当たり前で差別だと思われていませんでした。法律もありませんでした。
日本で障害者の人権がみとめられていたのは最近のことです。
これらの権利は長年かけてようやく障害者がつかんだものです。わたしたちはこうした権利があると言い続け、努力して守り続けていかなければなりません。なぜなら、だまっていると大多数の意見に負けてしまいそうになる。優先順位が低いと思われてしまうから。
障害のある人は生まれたときから差別を受けています。
ふつう赤ちゃんが生まれたら「おめでとう!」と言われますが、障害があるとわかった瞬間「おめでとう」とは言われません。周囲の人は困って、親はこれからこの子とどうやって生きていこうとと嘆きます。
でも、障害のある自分を好きになり「障害者だからこそできることがあるよ」と自信を持って生きることがだいじだと著者は言います。

人の価値ってなんでしょう?
神奈川県の「津久井やまゆり園」という施設で19人の障害者が殺されてしまった事件がありました。容疑者は「障害者はいろんな人に迷惑をかけるから、生きている価値がないからいないほうがいい」と言って殺してしまいました。
一人じゃ何もできない人、生産性のない人は死んでしまってもよいのでしょうか?
著者は最後にこう言っています。
世の中に価値のある人間と価値のない人間がいるとは思いません。
なぜなら価値というものは人の心が作り出すものだから。
たとえばわたしたちはきれいな景色を見た時「見て見て!」と誰かに伝えたくなります。
富士山を見ると、「キレイだね〜」「日本に生まれて良かった」といいます。
でも、よく考えれば富士山はただの山です。この気持は人が勝手に作り出したものなんです。山はがんばってなんかいません。ただそこにあるだけで人が勝手に感動しているんです。
ただの地面の盛り上がりにこれほどの感動を作り出せるのは人間だけに与えられた力です。それができるのだから、ただ呼吸をしてただ生きているだけの重度障害者に対しても感動できないはずがないと。たとえ感動までしなくても、その人の存在に価値を作り出せるはずだと。
「この人が、ここにいてくれてよかった。」
「この人が安心して暮らせる社会は、自分たちにとっても安心だね」と。
歩けないとだめとか、コミュニケーションがとれた方がいいとか、こうあるべきだという基準を人間は勝手につくっています。それができない人は劣っていると決めつけようとします。
でも、ただの山に対してこれだけ感動できる人間が、どうして命のある人に対して感動できないのかな、価値をつくれないのかなと。
ただそこにいるだけで「人の価値ってなんだろう」と考えさせてくれる存在。著者はただ障害者であること、それだけでじゅうぶん価値があるのではないかと言っています。

わたしにもことらが与えてくれた価値観、感動は計り知れません。
あらためて人の価値、生きる価値を考えさせてくれる良い一冊でした。

2019年7月20日土曜日

トレトレの物件探し

【1年生・2017・12月】

物件探しというのは難航するのが常ですが、トレトレの物件探しも苦労しました。
まず、意外と一宮市の物件は高くてトレトレの希望の予算と大きさに合う物件が少ない。
予算と大きさが合うと、改装に費用がかかりすぎるなど合わない。。
その中でもこの物件かなというところを2つ絞って、設計士さんに一緒に見に行ってもらうとどちらも現実味がないと言われる。片方は飲食店跡地なので内装費にお金がかかりすぎる。
もう一つは3階建てでエアコンもついていないので、設備費・内装費にお金がかかりすぎる。
う〜ん。。行き詰まってしまった。。
念の為、同行してくださってた不動産屋さんに「もう他はないんですよね?」ときいてみた。
前回も聞いているので、ないとは思うが。
「一応、一つあるんですが倉庫なので、そこも改装費にお金がかかるかと・・」
まあ、一応見に行ってみるかと行ってみると、ピンときました!


設計士さんも、もう構想がわいた!ここにしよう!と。
気になっていた、倉庫からの改装費は思った以上に抑えれるとのこと。
エアコンがもともと付いているのもでかい。
何より広くて、作りもキレイなのでイメージが広がる。


危険回避のため、手を加えるところは沢山あるが良い物件に出会った。
最初は倉庫は視野になかったが、視野を広げると良いことがある。
僕の人生で「視野を広げる」というのはキーワードだ。
視野を広げることでいろんなものが見えてくる。出会いがある。
物件も決まったので、いよいよ始まる。




2019年7月14日日曜日

どろんこ大作戦

【3年生・2019・7月】

先日、知人にご紹介いただいて萩原で田んぼをお持ちの方に田んぼで遊ばせていただきました。
本当は6月にほたるを守る会の主催でどろんこ大作戦という、田んぼでのどろんこ遊びに行く予定でしたが、天候が悪くなってしまい中止に。。
落ち込んでいたら、このようなお話をいただけました。
最近はオタマジャクシすくいがブームのことら。トレトレの近くの噴水にオタマジャクシがいるのですが、タモですくって虫かごに沢山いれます。
田んぼでも沢山のオタマジャクシに興奮!



一生懸命すくうのですが、田んぼの中は歩くとどろがまざってすぐに見えなくなってしまいます。。
途中からオタマジャクシすくいはやめて、田んぼ散策に。
妹、弟も楽しい〜と言って、3人で田んぼを満喫。
僕も入ってみましたが、裸足で入った時の感覚はとても新感覚でした。
柔らかくてヌルヌルしていて、ズブズブ〜っと足がはいっていきます。
途中から、田んぼと用水路をつなぐ穴が気になった様子で、弟と二人で遊びます。



途中から地元の子ども達も沢山来て、田んぼの地主さんもみえていろいろと教えてくれました。
ナマズもいるぞ!と、隣の田んぼでナマズも発見!
用水路にはコイやザリガニもいるぞ〜と話していたら、ことらが用水路に入りたいと。
地主さんの許可をもらって、どぼん!
まるでプールのように遊んでました。



ことらの姿を見て、妹も入りたい!と。不安が強く慎重な妹が入りたいと言って嬉しかったです!
他の子どもたちは呆気にとられていましたが、普段体験できない遊びをさせていただき、親子ともに幸せでした。寛大に遊ばせてくれる地主さんあってのことです。
いろんな体験、経験から子どもたちは成長していきます。
嬉しい出会いに感謝です。

2019年7月9日火曜日

ほめほめ貯金

先日、特別支援学校の先生にご紹介いただいたドクターの勉強会に参加しました。
広島にある発達障害・心のケア専門のクリニックの副院長の泉先生。
女性の先生なのですが、とても物腰が柔らかく声のトーンも心地よい先生。
子どもたちや親にとってもこの柔らかさはとても大切だなぁと感じました。

【虹の子どもクリニック】
https://www.nijinokodomo.jp/

最初、親さん向けの勉強会だと泉先生は思っていたらしく、資料も内容も基本的なことも含めてわかりやすい内容でした。
その中で特に印象的だったのが、【環境が6割】【ほめほめ貯金】

【環境6割】
組み合わせで現れる発達障害として、「個人要因」「養育環境」「社会環境」が関係して発達障害が表面化してくるのですが、個人要因が強いと思われてきた発達障害が実は環境要因の方が強かったというお話。一卵性双生児に全く異なる環境で育てた場合のエビデンスで6割環境が影響しているとの結果がでたそうです。同じような特性や障害があっても環境で全く異なる未来が待っているということになります。

【ほめほめ貯金】
発達特性のある子どもたちは成長しないのではなく、成長が遅いだけ。ゆっくりなだけ。
それをなんとかさせたい、他の子と同じようにさせたいと怒っては逆効果。
5歳〜10歳くらいの時期に沢山ほめてほめていくと、10歳を過ぎてからの成長時期に自己肯定感を失うことがなくなる。これをほめほめ貯金と表現されていました。
「よく、うちの子ほめるとこないんです〜」とおっしゃるお母さんがいるんです。と泉先生はおっしゃってました。そんな時は生まれてきてくれた時のことを思い出して、存在そのものをほめてくださいとおっしゃってました。よくトレトレで言う、存在承認です。
とても共感できました。

他にも沢山の学びのある勉強会でした。
コミュニケーションにもとても着目されているそうで、コミュニケーションの勉強会もされているそうです。
最後の質疑応答の時に少し話をされた院長先生もとても素晴らしい方でした。
発達特性だけではなく、いろんな視点から子どもたちを見るというのがとても素晴らしい。こんなクリニックが愛知にもあるといいのに。
この勉強会はシリーズで行われるそうで、次回もとても楽しみです。

2019年7月1日月曜日

トレトレbi

トレトレが始まって1年と2ヶ月が経ちました。
早いなぁと思いますが、ここまでは順調だと思いました。
何が順調なのか。順調とはなにか。
やはり、子どもたちが笑顔で通ってくれていること。
子どもたちにとって、ご両親にとってトレトレが安心できる場所であり、少しでも必要な場所であると思えることが順調なのだと感じます。
開所前に伺った大学の先生に、子どもたちが毎日笑顔で通うことが結果良い療育に繋がるのだと教えていただきました。
今はその意味がよく理解出来るきがします。
もちろん毎日いろんなことがおきますし、良いことばかりでもありません。
でも、良いこと悪いことを繰り返して子どもたちは成長していくし、トレトレも共に成長していけるのだと信じております。

そして本日、子どもたちのさらなる成長を願い、「児童発達支援 トレトレbi」が開所いたします。
未就学の子どもたちと小学生の子どもたちの活動を分けることにより、活動の質、支援の質、成長の質が上がると思っています。
子どもたちの笑顔がまた増えることを願って。

私事ですが、本日7月1日は僕のおばあちゃんの誕生日。
(このブログ自体ほとんど私事ですが。。)
そして、本日でおばあちゃんは100歳です!
このおめでたい節目が重なったことがまたとても嬉しいです。
人生100年時代。
トレトレ1歳。ことら9歳。私43歳。
まだまだこれからやれることが沢山ありますね!
これからも宜しくお願い致します!