2019年1月29日火曜日

家庭と地域と学校と


昨日は僕と雨さんを引き合わせていただいた、トレトレの生みの親ともいうべき
一宮市の教育長先生に遅くなりましたが近況報告もかねて、新年の挨拶に伺いました。

いろいろとためになるお話を聞かせていただきました。
その中で、子どもの生きる力は人間関係力だというお話がありました。
しかし、今の子どもたちはその人間関係力が育っていない。子どもというのは、
家庭・学校・地域で育っていくもの。その中で地域がほとんどなくなってきている。
または薄まっている。また、家庭では友達親子や姉弟親子が増えてきていて本当の意味
での親子が減ってきている。子どもをきちんと叱れない。躾ができない。
でも、それは学校にも言えることだと。だから、学校の先生方にはいつも自分たちが
最後の砦になるような気持ちで教育に臨んでほしいと伝えているそうです。
まずは主人公は誰なのかということ。主人公は子どもなのだから、子どものために
なるのかどうかということ。主語を子どもにし、子どものために叱りなさいという
意味だと感じました。
僕も常々社会が変わり、「親はなくとも子は育つ」という時代は終わったなと感じて
います。僕はこの「親はなくとも子は育つ」という意味は本当に親がいないという
意味ではなく、親が近くにいなくても地域や学校が子どもたちをしっかり見守り、
育ててくれるという意味も含まれていると思っています。
でも、今は違います。子どもたちはとっても生きづらいと思います。
だから、僕も親として自分の子どもとしっかり向き合うこと。
そして、トレトレとして、地域の一員として子どもたちの成長にしっかり寄り添って
いかなくてはと身が引き締まりました。

2019年1月28日月曜日

特例子会社


先週、トレトレで清須市にある特例子会社 TGウェルフェアへ会社見学に
行ってきました。
愛知県には20社しかない特例子会社。特にTGウェルフェアは市街からも注目
されており、特別支援学校や企業、地方自治体から見学の以来が殺到。
今回の私たちで累計1700人以上の方が見学にみえているそうです。
また最近は講演の依頼も多く、近々三河の方で講演の依頼が入っているのだとか。
何がそんなに話題なのかというと、特例子会社なのに「自立支援」を全面に掲げて
いるところです。
それもTGウェルフェアの掲げる自立は、2つにわかれており
*社員としての自立
*社会人としての自立
この2つの自立ができて初めてTGウェルフェアにおける自立と考えます。
しかしこれは言うのは簡単ですが、やるのは本当に大変ですごいことです。
特に社会人としての自立というのは、会社の外でのことが主になってくるわけです。
TGウェルフェアでは、身だしなみや言葉遣い、休憩時間の過ごし方だけでなく、
一般的な生活をおくる為の自立支援を行っています。
それはただ言うだけではなく、共に宿泊研修をして炊事、洗濯、お風呂にはいる、
余暇の過ごし方など、多岐に渡ります。
その結果、入社して数年でできることの幅がどんどん増えています。
仕事面でも、入社時は10分もたなかった子たちが今は8時間の立ち仕事を難なく
こなしています。
TGウェルフェアの方は言います。「体験なくして自立なし」だと。
今は過保護の中で育っている子どもが多い。取り返しのつく失敗をどんどんさせて
くださいと。僕はこれを見守る勇気、待つ覚悟だと感じました。
子育てはついつい手が出てしまいます。心配だったり、できないと思っていたり、
時間がなくついついやってしまいます。ここで一歩見守る、待つということが大切
なんだと感じました。
今、TGウェルフェアでは19人の方々が働いていて、そのうち13人が重度の知的障害
なんだそうです。
でも、彼らの仕事ぶりをみているとそれが信じられないくらいの作業スピード、
手際の良さ、挨拶の力強さ。
技術的なこともありますが、基本は覚悟だと言われます。
親の覚悟。支援者の覚悟。
障害を理解し、褒めて、叱って、励まして、教えて、できるまで待つ。
必ずできると信じて繰り返す。
そこには障害だからとか、特性だからとかは関係ないんです。
魂と魂とのぶつかり合いだと感じました。
TGウェルフェアは特例子会社になってから9年間で2人の退職者しかでていません。
その2人は寿退社だそうです。
良い人材がこない。定着率が低いと嘆く会社が多いですが、会社の覚悟も
問われているのではないでしょうか。
時には涙を流して帰る方もいるそうです。
悔しさからか、悲しさからか、不安からかわかりません。
しかし、仕事で涙を流すほど真剣になり、努力する。
その先に初めて生きる幸せが見えてくるのではないかと感じました。
こんな会社があることが子どもたちの未来への光であると感じました。

2019年1月23日水曜日

卒園旅行二日目

【年長・2017・3月】

二日目はのんびりスタートな朝。
朝ごはんとテラスを満喫したあとチェックアウトし、フェリー乗り場までホテルの方に
送っていただき、タコまんじゅうの製造現場を見ながら素直にフェリーに乗ります。
やっぱりフェリー好きなんだ。
そして師崎に着きましたが、またフェリーに乗るということら。
よっぽどフェリーが気にいったのかと、ある程度の荷物を車に乗せて、もう一回フェリーで
1周することにしました。
そしてもう一度日間賀島に着くと、ことらは何かを探してどこかに行きたい様子。
どこだろうとついて行くと、結局またホテルまで戻ってきてしまいます。
また部屋に行きたいと言うのです。
よっぽど気に入ったんですね。びっくり。
でも、もう帰らないといけないから部屋には入れないと言うと怒ってホテルを飛び出します。
追いかけて海沿いを一緒に歩くことに。
途中、海に降りる階段を見つけて、降りたいとアピール。
でも下は砂浜ではないので、すぐに深いし年長のことらには危険。
ここからは入りません!と言うと、怒る怒る。
部屋にも入れないし、海にも入れないし、なんでやー!
と言わんばかりに暴れます。僕の手も傷だらけで血だらけです。
冷静を装い、階段に座って海を眺めようと提案したら、提案にのって座ってくれましたが、
隙あらば海に入ろうとすることら。
なんとか二人で海を眺めながら帰ろうかという雰囲気になり、また海沿いを歩き
だしました。よかった。
しばらく歩くとフェリー乗り場が見えてきて、ことらが走り出します。
よかったーフェリーに興味がいってくれた。
そのままどこかに行ってしまうといけないのでフェリー乗り場まで並走します。
おいおいこのまま海に飛び込むつもりじゃないよな。という心配が胸をよぎり、
いつでもリュックをつかめるように右手はロックしています。
しかし、ギリギリのところでブレーキ。さすがにそれはないか、よかった〜
と気を抜いてしまった次の瞬間!
ぴょんっ!とことらが海に飛び込みました・・
うわ〜!まじかーと思う間もなく、やばい!飛び込まなきゃと上着を脱いで携帯を投げて
飛び込もうとした瞬間、フェリー乗り場のおじさんが「おにいちゃん、待った!」
と、竹竿を持ってきてことらに捕まれと言ってくれました。
背負っていたリュックが浮き輪のようになっていたことらは竹竿に捕まり、乗り場の方に
引き寄せられ、おじちゃんが乗り場にくっつけてあるタイヤからことらを持ち上げて
くれたので、受け取りました。
まだ肌寒い3月です。ビショビショのことらは震えているので、とりあえず着替えさせ、
おじさんに何度もお礼を言ってフェリーに乗ることにしました。
さすがに疲れたのか、そこからはおとなしく帰路につきました。


今回は大事には至りませんでしたが、この出来事で僕が想像できる範囲の出来事は全ておきると思って行動しなければいけないとな思いました。
常に最悪の事態も想像して。
わかっているつもりでしたが、まだまだ危機管理が甘いと反省しました。

2019年1月21日月曜日

卒園旅行一日目

【年長・2017・3月】

ことらの卒園旅行ということで日間賀島に行くことにしました。
水が好きなことらは浜辺でも遊べるし、きっとフェリーも喜ぶだろうし、
僕たちも海の幸を堪能できるし。
フェリー乗り場に着くと、やっぱりことらはフェリーに興味津々。
小さいですが船に乗るのは初めてなので、乗りたくて仕方ないです。
船着き場に船は沢山ありますが、日間賀島へのフェリーはまだ来ていません。
船に乗りたいばっかりのことらは、どうして乗れないのかわかりません。
早く乗るんだ!とこの旅行で一回目の格闘。長い15分でした。
やっとの思いで乗れたフェリーは大満足。水しぶきをきって走るフェリーは爽快です。

日間賀島で降りてくれるか心配しましたが、わりとすんなり降りてくれて安心。
島も初めての経験なので、まずは恒例の探索です。
まずは砂浜で裸足になって、初めての海を体験します。まだまだ肌寒い季節ですが、好奇心の
方が強いので大丈夫。妹と二人で打ち寄せる小さい波に踊らされながら恐る恐る海に
入ります。思いの外慎重だなと思った次の瞬間、膝上までドボドボと。
他にも遊んでいる子もいましたが、遠慮のない浸水にあっけにとられてました。
これは想定内で、一泊二日とは思えないくらい着替えを持ってきていたので、
自由に遊ばせました。妹は寒さからかわりとすぐに出てきましたが、ことらは
全身ビショビショに。それを見ていた頑固そうなおじさんが 険しい表情で
「なんであんなことさせるんや〜」と僕らが親とは知らずに奥様らしき方につぶやいてました。
僕からすると「なんでそんなこと言うんや〜」ですが、気にせず。

しばらく遊ぶとことらも寒くなったようであがってきたので、着替えさせてホテルへ。
一番の懸念点はこれからの時間です。ゆったりしたり、暇を楽しむことができない
ことらをどうするか。結局答えを持たずに来てしまいましたが、部屋からのキレイな
オーシャンビューにことらも妹も大興奮!なんと、ふたりしてくつろいでるではないですか。
椅子に座ってぼーっと海を眺めることらに、嬉しくてまた泣きそうに。
子育ては涙もろくなりますね。



それから海沿いを散歩して、また海に入りたいと言うのはなんとか静止して、ホテルに戻って
お風呂へ。お風呂へ行くと、なんと「なんであんなことさせるんや〜」のおじさんが
いるではないですか。こんな数ある宿泊施設の中で同じにならんでもいいのに。。
ちょうど出るところだったので、セーフ。なんせ、ことらは登るし飛び込むし動き回るし。
運良く誰も入っていなくて、ここもストレスレス。なんだかのんびりできる旅行だわ〜。
ご飯もことらは煮魚がお気に入りで沢山食べて大満足。
夜は夜で、部屋の窓から見えるオーシャンビューが夜は船の光でまたキレイなので、
興味津々。
びっくりするくらいスムーズすぎる一日目に満足しながら、就寝しました。

2019年1月19日土曜日

卒園

【年長・2017・3月】

ついにことらの卒園の時期がやってきました。
初めは少し手こずりましたが卒園してみると、ことらのがんばり、先生方のご協力、
友達の優しさ、妹と一緒だったことなどもあり、思った以上に安定して通園できたの
ではないかと思います。
もちろん、発表会や運動会など行事ごとに他の子のように参加はできませんでしたが、
そこは想定内なので動じません。
1年通して通えたことが嬉しかったです。
ことら、とってもがんばりました。


後の話になりますが、ことらが支援学校に通うようになってしばらく経ったある日に
卒園した園の近くを通った時に、ことらが「いやー!」って言ったんです。
保育園行かないよと言うと納得しました。
その時、ことらの中でとてもがんばって通っていたのだと感じました。
親の思いが強く、年長の一年は普通保育園に通わせましたが、ことらには少し高い壁
だったのかもしれません。
でも、この一年間でことらはとっても成長したと思います。
身辺自立、友達と触れ合うこと、集団生活など、ここでしか体験できないことが沢山
あったと思います。
ことらには、同じクラスに一人お気に入りの女の子がいました。
その女の子もことらのことを気にかけてくれて、その子の言うことはよく聞いていました。
ことらの初恋だったのかなぁ〜
いつか、ことらが恋をして結婚することができれば最高だなと、妻とよく話しました。
僕の夢の一つです。

先生方、お友達のみんな、一年間ありがとうございました!

2019年1月18日金曜日

作業療法

【年長・2017・3月】

放課後デイの開業に向けていろいろと考えてはいましたが、足りないものだらけ
というか何から手を付ければいいのかわからない状態。。
自分が児童発達支援管理責任者の要件を満たしているのであれば、施設で行う療育も
見えてくるでしょうし、まずは資金集めとなるのかなと思うのですが、何もない状況
なので、まずはどんな施設にしたいかを考えました。

ことらを育ててきて、作業療法の効果にびっくりしたのを思い出しました。
一般的に微細運動的なことや粗大運動のようなこともやってきましたが、ことらは
扁平足気味かもしれないと作業療法の先生に言われ、ことらに合わせてインソールを
作ってみました。
治療目的でことらに合わせたインソールなので、足の形を石膏で取ります。
想像通りかなりことらは嫌がって暴れるのですが、先生方も慣れているので3人がかりで
しっかり取れてしまいます。
インソール代は保険適応されるので、靴代金だけでよいので投入しやすいです。
効果はというと、それまで階段を降りるのが1段ずつ両足で降りて、また両足で降りてと
小さい子によくある降り方だったのですが、その靴を使うようになってしばらくすると
普通に大人のように降りれるようになるではないですか。
狐につままれたかのように驚いきました。
それ以来、作業療法のイメージが一新しました。

ことらたち発達に遅れや特性がある子どもたちの最初の目標は身辺自立です。
就学も就職も身辺自立はとても重要なポイントです。
そのためには、やっぱり作業療法が大切だと思いました。
よし!作業療法だ。
僕は中部大学出身なのですが、ことらの作業療法の時に中部大学の学生が研修にきて
いたのを思い出し、中部大学の作業療法科の先生の中で子どもの発達を専門とされて
いる先生にアポを取り、お話を聞かせていただくことになりました。

2019年1月16日水曜日

ドレスが着たい

【年長・2017・2月】

2月は妹の誕生日。3歳になった妹はこの頃アナ雪にハマっていて、誕生日プレゼントは
エルサのドレスでした。
あまり人に興味がないと言われるASDのことらたちは、みんながやっているからやってみよう
とか、この子がやるからやってみようとかが少ないです。
ことらもそうでしたが、この時は違いました。
妹が着ているドレスを見て、自分も着たいと言ってきたのです。
男の子なんだから変な癖がついても嫌だし、とか子育て初心者の僕はいろいろ考えてしまい
ましたが、ことらが人のやることに興味を持ったことのほうが嬉しくて、ドレスを着るのを
手伝っていました。
ドレスを着て嬉しそうに踊る姿を見て、こういった場面でも妹弟がいることのありがたみ
が感じられます。
ケンカもよくするし、モノの貸し借りのおりあいもなかなかつきませんが、時折妹にみせる
優しさなんかもあり、ことらにとってはとっても大切な存在だと思います。
妹がいてくれてよかった。ありがとう。


2019年1月15日火曜日

いちご狩り

【年長・2017・2月】

子どもの発達に特性があるとなかなかいろんなところに連れてってあげたいけど、
親二人では大変だとか、周りの方に迷惑がかかるとか、いろんな問題がついてきます。
そこは親の覚悟だ!と言ってしまえばそれまでですが、現実は日々の仕事や子育てで
疲れていたり、他にも兄弟がいて実際問題手が足りないなどありますよね。
うちもしばしば考えるテーマです。
その度にもっとストレスレスでお出かけできる場所が増えるといいのにと思います。

ことらはフルーツが大好きで、特にいちごが大好きです。
いちごのショートケーキなんかは一瞬でなくなります。
この季節はいちご狩りに連れて行ってあげたいなと毎年思います。
初めて行ったのは長野のいちご狩り農家でしたが、土日は観光地なので人も多く、
「ここからここまででお願いします」と言われても、もちろん意味がわかりません。
隣に赤くて美味しそうないちごがあるのに、なんで食べちゃいけないの?
と言葉のでないことらから聞こえてきそうないきおいで縦横無尽に走り回ります。
早いものがちでしょ!と言わんばかりに人をかきわけ、もちろん時間制限もわかりません。。
しかし、この年は違いました。イチゴ農家の知人ができたのです!
農家の彼いわく、通常いちごが一番美味しいのが1月末から2月末で、その時期のいちごは
取引先などに販売。その後の3月からいちご狩りを始めるそうです。
その通常にいちご狩りの始まる前にいちご狩りをさせてくれると言うのです!
もちろん貸し切りです。
赤く大きく育ったいちごたちは、僕の経験からこれだけ大きいとあまり甘くないのではと
感じていたのですが、ところがどっこいめちゃくちゃ甘い!
これが一番美味しい時期のいちごなのかと初めて思いました。


他にひともいないので、僕たちも気持ちが楽に楽しめます。
少し食べすぎて申し訳ない気持ちになりますが、なかなかできない経験をさせていただき、
ことらはいろんな方に育てていただいてるなと感謝しました。


2019年1月12日土曜日

障害と特性

何を持っての障害なのか、何を持っての特性なのか。
しばしば討議されます。
僕の主観ですが、人はそれぞれなんらかの特性を必ず持っています。
以前、ビジョントレーニングの先生も原始反射が全く残っていない人は
見たことがないとおっしゃってました。
では、どこまでが特性で、どこからが障害なのかとなりますよね。
これも僕の主観ですが、その特性によって本人や家族に困りごとがでてくる
時は障害で、それ以外は特性だと思っています。
〇〇障害と診断されたから困りごとが増えるわけじゃないです。
むしろ診断されたら、いろいろなサービスを受けれたり、国からの補助も
あったりします。デイサービスもそうです。
逆に困りごとがあるのに診断を受けていない方が大変です。
年齢を重ねれば重ねるほど困り感やこじれが大きくなっていて、二次障害、三次障害が
でてくる可能性があります。
だから早期療育が叫ばれてるんです。
例えば早期療育と言われるから、特性があるかないか微妙だが診断を受けました。
結果、障害というほどの特性ではなかった。ここに問題はないわけで、本当は特性が
強いのに診断を受けなかった方が大人になってから苦労をします。
僕は療育は丁寧に育てることだと思っています。それって本当は障害があろうが
なかろうが大切なことなんです。
子どもといる時に、一日15分でよいのでスマホを見る時間をやめて、真剣に子どもと
向き合うと劇的に子どもとの関係性が変わります。
休みの日の公園で子どもを遊ばせながらスマホばかり見ているお父さんを見ると
父親業が作業になっているなと感じます。
父親をすることと、子育てをすることは似て非なるものだと僕は思っています。
きちんと子どもを見て、定期的に声をかける。
もっと言えば、子どもと一緒になって楽しく遊ぶ。
それで子どもとの関係性も、子どもの成長も劇的に変わります。
障害は愛と工夫で個性に変わるとはこういうことの積み重ねなのかもしれません。
しかし障害のあるなしは関係ありません。
人はそれぞれに特性があるのですから。
本人も周りも困っていなければ、あいつは個性が強いなぁでおわります。
丁寧に愛情をかけると子どもはまっすぐ素直に成長します。
まっすぐ育たないとどんなに良い教育や療育もあまり入らなくなってしまいます。
その上で本人が持っている特性とどう共存していくか工夫する。
それで、障害と特性の境界線が大きく変わると思います。

2019年1月11日金曜日

活き活きとした場所

【年長・2017】

少し話が戻りますが、小学校就学のお話です。
ことらの小学校就学に向けてはいろんな学校を見に行きました。
その中でいなざわ特別支援学校に決めました。
支援級も沢山見に行きました。近隣の小学校に通うのがセオリーだと思いますが、
ことらが支援級に通えるのかという不安もあり、先輩ママさんや友達から聞いた
良いと噂の支援級を見に行きました。
結論は支援級は難しいだろうという判断。
今考えても、支援級選ばなくてよかったなと思います。
それに、いなざわ特別支援学校がとても良かった。
まず、当時3年前にできたばかりということで、とてもキレイなんです。
窓も大きくて多くて光が沢山入ってきます。
なにより先生たちが活き活きしているように感じました。
とても明るく笑顔で挨拶してくださるし、授業風景も楽しそう。
トレトレもありがたいことにスタッフがとても良いと言っていただく事が多いのですが、
子供の成長に大人と子どもの人間関係はとっても重要だと思います。
いなざわの先生方ならことらも安心して成長できるのではと思いました。

そして、学校や施設がキレイなこともやっぱり重要だと思います。
今は昔と違って公共の施設もとてもキレイでオシャレなところも多いです。
駅や図書館、体育館、病院など。
お金をかけれない現実などもあるとは思いますが、福祉施設もキレイで明るい環境が
絶対に良いに決まっています。
通う子どもたちの気持ちも違いますし、周りの目も違ってくると思います。
健常の子どもたちも通いたいと思う学校。
行きたいなと思う施設。
それも本当の意味でのインクルーシブの第一歩になるのではと思っています。

2019年1月9日水曜日

息子よ。そのままで、いい。

【年長・2017・1月】

この頃に出会った本です。
この本の冒頭の一文です。

私は、思うのです。
長男が、もし障害を持っていなければ。
あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。

私は、考えてしまうのです。
長男が、もし障害を持っていなければ。
私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと。

何度も夢を見ました。
「お父さん、朝だよ、起きてよ」
長男が私を揺り起こしに来るのです。
「ほら、障害なんてなかったろ。心配しすぎなんだよ」
夢の中で、私は妻に話しかけます。

そして目が覚めると、いつもの通りの朝なのです。
言葉のしゃべれない長男が、騒いでいます。
何と言っているのか、私には分かりません。

ああ。
またこんな夢を見てしまった。
ああ。
ごめんね。

この一文ですでに泣いていました。
私もことらが話しかけてくる、起こしに来るなどの夢を見たことがあります。
夢から覚めると複雑な気持ちです。

私には文才がないので、表現ができませんがまさにこの通りだなと思いました。
ことらの不可思議な言動。
でも、全てに意味はあり、全てに意思があります。
それがわかった時がすごく嬉しいです。
妹、弟も今のことらを、そのままのことらを受け止めてくれています。
今は本当に表題のように思えるようになりました。

いつか作者の神戸さんにはお会いしたいと密かに思っております。


2019年1月5日土曜日

事よりも人

2019/01

この年末年始でことらがもう一つ楽しみにしていたこと、それは従姉妹に会うことです。
ことらは従姉妹が5人いるのですが、中1のお姉ちゃんと小5のお姉ちゃんが大好き。
年末もお姉ちゃんたちの名前を連呼します。
大晦日にはもう待ちきれずに「いくー!」と叫んで裸足で家を飛び出しました。
捕まえてカレンダーで説明しましたが、わかったのかどうか・・
でもなんとか大晦日、元旦を乗り越え遂にその日はやってきます。
朝から今日行くよというと準備もすすんでやるし、呼べばすぐ来るし、とっても素直。
そして遂に会えました!
ことらは舞い上がってぴょんぴょん跳ねています。時折手をつないだり。
そんなことらを従姉妹たちも会うのを楽しみにしてくれてたし、全て受け止めて
くれます。本当にありがたい存在です。
人に興味がでてきたことらは、最近は事よりも人に反応が大きい気がします。
何をするかよりも、誰とするか。
もちろん、何をするかもとても大切ですが、今は人です。
従姉妹たちの言うことはとっても素直に聞きます。家を出ていくこともありません。
最近、ことらには物足りなくなってきた公園も従姉妹たちと一緒ならとっても
楽しく遊びます。僕たちでも小学生くらいになると誰か友達と遊ぶのが通常になります。
当然ですがASDでも同じように成長できるんです。環境と経験ですね。
距離感などは今後も教えていかなくてはいけませんが、いろんな子どもたちと交流を
持たせてあげたいです。



年末年始の非日常の一週間が終わりました。
とっても楽しい毎日だったことらはそれを受け止めることができず、車に乗って
お出かけすると言います。4日の夕方です。
仕方がないので1時間弱ほどドライブをして帰ってきましたが、家が近づくと
「家いや!」「ただいまいや!」といって怒り出します。
でももうお休みは終わりです。駐車場に車を停めてことらを説得しますがなかなか
納得できません。涙を流して全力で抵抗します。
僕がお休みは終わり。パパは仕事です。と言っても怒ります。
こんなに怒るのはTDL以来です。20分くらい格闘したあと、車を飛び出し家とは
反対方向に走り出したことらを捕まえると、今度は「寝る」と言って道路で寝ます。。
仕方がないので、おんぶしてあげると言うとやっと折れてくれて、おんぶしながら
家に帰ることができました。
ことらをおんぶしながら帰る途中、いろんな意味で涙がでてきました。
切なさ半分、嬉しさ半分の涙です。
今年はどんな一年になるんだろう。2019年の始まりです。



馬瀬の帰りに奥飛騨で雪と戯れることら。
昨年は11月くらいからユキユキ言っていたので、
大興奮でした。

2019年1月4日金曜日

野外活動の意義

2019/01

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

この年末年始は自分の休みも長く、近年稀に見るほどイベントづくしで
ことらや家族にとってとても楽しい1週間でした。
まだ非現実の中に心も身体もつかっています。
非現実をとても楽しめるようになったことらは、連休前から楽しみにしており、
12月の途中から「学校いや!」と言う始末。。
登校拒否はありませんでしたが、よっぽど楽しみだったんですね。

12/29
下呂市の馬瀬に雨さんのアトリエがあり、自然体験。
すぐ横に馬瀬川があり、反対側は山。
なにしろ、周りにはほとんど家はなく、と言うよりこのアトリエに入るには
鎖をかけられた鉄の門を開けて入ります。
イノシシや鹿などの動物が町中に降りて農作物を食べたりと悪さをしないように。
雨さんのアトリエの庭でも鹿が寝ていた跡があったり、雪の上には動物の足跡が
あったりします。とても立派な鹿の角が庭に落ちていたこともあると見せてもらいました。
自然が大好きなことらは大興奮!
夏の思い出を思い出し、「キャンプ!キャンプ!」を連呼します。
雪も降るこの寒さで、さすがに川には入りませんでしたが、雪山の山道や
川沿いの岩場を探検しました。
下の子どもたちは寒さと冬の川の怖さに途中で断念しましたが、ことらは
好奇心が勝っています。
山道や土石流の跡のような山場、川沿いの岩場はまさに自然のアスレチック。
僕たち大人が安全を確保しながら好奇心と体力をフルに使います。
普段できない貴重な体験ができました。
もちろん、夕方は焚き火をして焼き芋と焼きマシュマロ。
そして、もう一つの出会いは掘りごたつでした。
掘りごたつが大好きになったことらはこたつの中に潜りこんでみんなの靴下を
脱がします。



発達障害がある子どもの野外活動の意義はコロニーの吉川先生もそのままの
題材で講演するほど子どもたちの成長にとってとても大切なことです。
今年は夏と冬と、それを体感、実感しました。
いろんな体験、経験を通して「好き」や「興味」が増えていき、できることや
やりたいことが増えていくのです。
これからもできる限りトレトレの子どもたちにも伝えていきたいです。
トレトレ自然合宿とかできたらいいなぁ〜


アトリエにあったギターと帽子を装備したことら。
リメンバー・ミーを意識したのかな。