2020年11月7日土曜日

発達障害のある子どもとゲーム・ネット・スマホ

 今月の「発達教育」の特集は我ら愛知で親しみも深い吉川徹先生でした。

吉川先生がよく講演の題材にされているゲーム・ネット・スマホ。

今の子どもたちとの関係は切っても切れないと思います。

私達親世代も、ファミコンのブームにより学校休んでソフトを買うとか、学校休んでゲームをやる子が増えて社会問題にもなりました。

その頃のよりも今の子どもたちの環境は複雑になり、ゲーム・ネット・スマホはICT(Information Communication Technology)と呼ばれる存在になっています。

けっこうこういった題材だと、ICTをやらせない、制限する、規制するにはどうしたらよいか?というところに目がいきがちなのですが、吉川先生は視点が違います。

「できる」ではなく「したい」にいつも目を向けています。

本誌のなかでも「就労できる子どもにしようとか、自立できる大人になって欲しいというのはとても自然な親の思いだが、残念ながらこじれやすい目標設定だ」とおっしゃっています。

苦労してでも働く理由、めんどくさいけど自立する理由を準備しておくことが、一つの手堅い目標になる。義務感や罰を動機づけに使いすぎることは、長い目で見るとこじれやすい。

やはり、大切なのは「生きがいを支える趣味と余暇」です。

特にASDのある子どもたちにとっては興味をもつこと、好きになれたものはとても貴重な存在です。特にそこに仲間(市場と商品)がいる趣味を身につけることは大きな社会参加の動機になります。

そのためにも、ゲームやネットの使いすぎを予防するためにも大切なのは、リアルな世界の中に好きなものややりたいことがたくさんあることが大切。

趣味でも、部活でも習い事でも、リアルな世界の中に充実した趣味や仲間がいることが使いすぎの歯止めになります。

こうしたものが一つでも二つでも確保された状態で中学生を迎えることが目標になります。

そのために大事なのは年齢が低い間に「役に立つこと」ばかりをやらせすぎない。将来役に立つけどつまらないことばかりをやらせすぎると、リアルな世界の中に好きなものが育たなくなり、ICTの使いすぎリスクを高めてしまう。

吉川先生は、そのためには小学生時代、勉強なんかしている時間はないのではないかと、半分くらい本気で思っているそうです。

目標にするのはゲームやネットを使っている時間を減らすことではなく、ゲームやネット以外のことをやっている時間を増やすこと。

お父さんと料理を作る。お母さんと釣りに行く。その時間はゲームをやっていないというのが、一つの目標になります。

以前、吉川先生に「放課後デイではいろんな遊びや経験を沢山させる場であってほしい」と言われたことがあります。

トレトレは子どもたちのできるをふやすのではなく、子どもたちの趣味や余暇につながるような遊びや経験を沢山できる場でありたいと思っています。

それが結果、子どもたちの豊かな人生に繋がっていくことを信じて。

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