2019年10月19日土曜日

かがみの孤城

本屋大賞にも選ばれた「かがみの孤城」面白かったです。
学校へ通えずにいる7人の少年少女が、鏡から不思議な孤城に通う日々を綴った作品。
最初は不登校の子どもたちのことが何かわかるかなというような気持ちで読み始めましたが、どんどん物語に引き込まれていきました。


ファンタジー作品なのですが、子どもたちの心情が細かく描かれていてとても感情移入してしまいました。
初めはほんの小さなことがきっかけで学校に行けなくなる。でも、ほんとは行きたくないわけじゃないし。居場所を求めている。
このお城であるものを見つけると、なんでも願いが叶うという設定。
最初は願いを叶えたいとみんなが思っているが、だんだんとお城という居場所をなくしたくない。このコミュニティをなくしたくないと思えるようになってくる。
人は居場所があるというのはほんとに幸せなことだと思った。
放デイとも繋がるものを感じました。子どもたちの居場所であり続けたい。

最近は「幸せ」ってなんだろうというのが自分のテーマ。
お金があることが幸せではない。普通であることが幸せではない。
この本を読んで居場所があるということはとても幸せなんじゃないかと感じました。
少し前にトレトレの子どもたちが、ドラゴンボールが集まって何か一つだけ願いが叶うとしたら何がいい?と話をしていました。みんな、あれば欲しいとか何がいいかなぁとか考える中で、一人の子が「僕は何もいらなーい。僕幸せだから。」と言いました。
素晴らしことだなぁと感じました。
何か手に入ることが幸せではない。みんなと同じようになることが幸せではない。
何もなくても、個性が強くても、そのままの自分を認めて受け止めてくれる場所が一つでも多くあることが幸せなんだ。そう感じました。

この本が映画化されるといいなぁと思いながら、映画化されると作品のイメージが壊れるのも恐れ勝手に思いを巡らせていました。

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