いろんな分野、立場の方が参加されている本ですが、吉川先生も参加参加されているということで、読みました。
参加されている方々の対談も書かれていて、とてもわかりやすく、納得のできる内容でした。
強度行動障害というものが、本人の属性ではなく、周囲の環境や働きかけから出てくるものだというのは、親としても、支援に関わるものとして、身の引き締まる思いでした。
映画「道草」というキーワードがたくさん出てきますが、中にはこの映画に批判的な方も多かったということに驚きました。
視覚支援ができていないとか、療育目線での批判。
その意見にはとても危険な匂いを感じます。
この療育目線の考え方、働きかけがそもそも強度行動障害を招いているんじゃないかとさえ思います。
視覚支援は基本だし、言葉でのコミュニケーションを苦手とする方には重要なコミュニケーションツールです。
しかし、それが先行してしまっては本末転倒。
まずは対話と意思の尊重が大切だと思います。映画「道草」はそこがしっかりできている。
そこを無視とは言わずとも、軽んじての療育、教育の押し付けは本当に危険です。
将来が不安だとか、このままでは大変なことになるなどの保護者の不安を煽り、半ば脅し文句のようになっている療育の現状に危険を感じます。
我が街、一宮でもそういった施設や相談支援があります。
片や、強度行動障害の傾向があると安易に薬や入院、入所に頼る。
見通しのない、計画性のない薬や入院は余計にややこしくなる危険性があると感じます。
目的ありきでの行動、手段が必要です。
色々と身の引き締まる内容でした。
とても良い本でした。
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