2019年8月3日土曜日

優しい世の中

昨年から私は愛知県自閉症協会「つぼみの会」に入会しています。きっかけはつぼみの会一宮支部の勉強会に参加したこと。自閉症児の親として話をしたり、情報共有できたり勉強できたらいいなと思って入会しました。
つぼみの会は親の会で、日本自閉症協会もあります。自閉症児のことを世の中にもっと知ってもらおうと活動したり、自閉症児が生活の中で辛い扱いを受けた時に団体として抗議したり、お願いをしたりします。他にも昨年から参加している親子で参加するキャンプやお出かけなど、ボランティアの学生さんや学校の先生、ドクターが協力をしてくれなりたっている沢山のイベントが有り、世の中になくてはならない団体だなと感じます。
もともとは数人の親さんで始めたと聞いています。世の中の親の会や、手を繋ぐ子らの会などみんな最初は数人の親さんが始めてる。それが歴史となってすごいことだなぁと尊敬と感謝の気持ちがでます。
しかし、近年は会員数が減少していて悩んでいると聞きます。昔は親同士のネットワークもなく、福祉制度も充実しておらず、ネットも充実していなかった時代。そんな時代で親同士が力を合わせてやってきた団体だし、心の支えとしてもなくてはならない存在だったんだと思う。
会員数の減少は、もちろん辞める人がいるのに入る人がいないから。原因はネット環境が整い、なんでも調べればある程度わかるし福祉制度の充実で親同士のつながりも増えてきたこと。でも、ネットにはない生きた情報や、先輩親さんのパワー、明るさにふれることはとても大切だと僕は思います。
ただ、その一方で若い子ども世代の親が入会してこないのはそんな先輩親さんにも原因があると感じています。福祉もネットワークもない時代、世間も今以上に理解のない時代を乗り越えてきた親さんはパワーがあるし、乗り越えた自負もあると思う。だからなのか一部の方で若い世代の親を認めない方がいます。「今のお母さんは楽してる」とか「放デイばっかりで子育てしていない」などと言う話を聞くと悲しくなる。苦労することは大切だと思うが、苦労が美徳ではない。勉強したい、情報交換したいと協会に近づいたがこのような洗礼を受けてフェードアウトした方も知っている。
表現が適切かわからないが、水のたっぷり入った水槽も新しい水をどんどん入れて循環させなければ、水は古くなって腐ってしまうし、蒸発するだろう。時代は変わっていくのだから、その次代のニーズに合わせなければいけないし、新しいものを否定してはいけない。「最近の若者は〜」と言うおじさんたちも自分たちにも原因があることに気づいていない。まずは相手を認めて、気持ちを受け止めてあげないといけない。これは子どもに対しても親に対しても同じだ。
先月の自閉症協会の通信「いとしご通信」を読んで感じた。
自分も支援者側として、この気持ちを忘れてはいけないと思う。

今、つぼみの会のキャンプの運営に少しだけ携わっている。
昨年、初めて参加してとても素晴らしいキャンプだと思った。しかし、このキャンプも新しい参加者が増えずもう昨年が最後かと言われていたらしい。
しかし、昨年は僕とことらを含め新規の親子の参加が多かった。そして、その新規で参加した親子がキャンプに感動し、今年は昨年新しく参加したお母さんを中心に今まで運営してくださっていたお母さん、お父さんがサポートしてくださり運営をしている。これはこのキャンプのベテランお母さんお父さん、先生方の作る温かい雰囲気のおかげだと思う。
そして、これが理想の形だ。
やはり新しい人、若い人が活躍しないといけない。
これはいろんな団体に限らず、今の日本全体に言える気がする。会社も学校も同じだ。
それには若い人のがんばりも必要だが、それを受け止める優しさも必要。
なんか社会と一緒だなぁ。
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない。」
小説にでてくる探偵フィリップ・マーロウの言葉だ。
優しい世の中にならなければ。

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