【2年生・2019・2月】
昨日の話です。
ことらが学校の音楽の時間にカスタネットを使ったようなのですが、紐をほどいてバラバラに
解体してしまったそうです。そこでことらはマズイと思ったのか、ポケットに必死で
隠していたそうです。(笑)先生は隠しているのに気づいていましたが、知らないふりをして
「あれ?カスタネットは?」と聞くと申し訳なさそうな顔をして、でも出せないでいた
ので、「なくなっちゃったなぁ。探さなきゃ。」と探していると、ポケットからだして
「ごめんごめん」と言ったそうです。
一見、朗らかなやり取りですが、僕はことらの成長をとても感じ嬉しくなりました。
以前ならバラバラにしたカスタネットをバーっと放っておしまいです。
しっかりコミュニケーションになっているのには驚きです。
そして、先生の引き出す力がすごいなぁと思います。
もし、ここでバラバラにしていることらをみて、「ことくん、バラバラにしちゃダメだよ」
なんて声をかけてしまったら、そこでおしまいです。
その先にある成長を睨んで見守る力。簡単そうで難しいと思います。
ましてや子どもはことら一人じゃありませんし。
その後もことらから自発的に出てくるまで待つ。
この、「見守る」と「待つ」は簡単そうで大変な作業です。
どちらも覚悟がいります。
見守る覚悟と、待つ覚悟。日頃から意識はしていますが、あらためて感じました。
このエピソードはとても意味深いものだと感じます。
返信削除毎月支援ノートを配信してくれる高原浩さんが2月に送ってくれた『瞬間芸と持続芸』という文章があります。このエピソードの場合、先生のことらくんへの反応は「瞬間芸」と言えます。状況を瞬時に理解し、どうすればことらくんから「よいもの」を引き出せるか思考し、即断して表現しています。これによって臨場感のある「ごめんごめん」(よいもの)が出ています。「ごめんごめん」が「よいもの」であると思うのは、人と人が例えば、街中でちょっと肩をぶつけてしまったとき「ごめんなさい」「すいません」と出せればほとんど解決するからです。そういうやり取りの元がここにあるからです。
高原さんが「瞬間芸」の後に「持続芸」としているのはおそらくその集積が重要だと考えるからでしょう。「それは3月に書きます」ということなので高原さんからの配信を待つことにします。
ことらくんはやり取りのおもしろさを肌で感じるようになっています。そこに言葉が使えるというのもわかってきつつある。だからことらくんと時間を共有するのが楽しいと感じます。
発達と成長に寄り添うっていうのが私たちの仕事の最も大きな喜びのひとつですから。
雨田 陽三
雨さん
削除コメントありがとうございます。
「瞬間芸と持続芸」深い言葉ですね。30年以上現場に寄り添っている高原さんだから出てくる言葉だと感じます。
ことらは本当にやり取りの面白さを肌で感じているのが伝わってきます。
ごっこ遊びもそうですね。設定が思った以上に深いです。
親として支援者として瞬間芸を磨いていきます。